今日も明日も
第54章 Perfect Life
「かず、起きて!おーきーてー!!」
枕をしっかりと抱き締めたまま幸せそうに眠るかず
いつも思う
このまま寝かせてあげたいって
だけどそうは行かないのが世の常って奴だ
可哀想だけど、なかなか起きないかずへの最終手段は包まってる布団を引き剥がす事
「んん…さむ…」
纏うものを失った体が小さく震える
「ほら、早く起きて」
寝惚けてうつろな瞳のかずを覚醒に導くのはいつの間にか俺の仕事になっていた
「もう起きるの…?」
「起きなきゃ間に合わないって」
子どもみたいにグズグズするかずを無理矢理座らせて、手を引いて洗面所に向かうまでが毎朝の一連の流れ
洗面所に行きさえすれば、普段のしっかりしたかずが戻ってくる
「おはよ、相葉さん」
子どもみたいにグズる姿は消え、大人のかずがキッチンに現れた
一緒に暮らすまでは全く分からなかったかずの弱点
それは破壊的に朝に弱い事
一緒に暮らす前だって何度も一緒に朝を迎えた事はあるけど、そんな素振りは1回たりとも見せた事がないから気付かなかった