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今日も明日も

第57章 見えない鎖 part Ⅰ


「あ、俺はね “雅紀“ って言うの。年は22」

「まさき、さん?」

「あー、そんな畏まらなくていいから適当に呼んで」

“雅紀さん“ なんて呼ばれた事ないから違和感ありまくりだっての

「えっと…じゃあ、まーくん」

いや、まーくんも何だかムズムズする
俺がそんな可愛いキャラとは思えない

でも何だかかずなりくんから呼ばれるのは悪くない、なんて思ったり

「ん、まーくんでいいや。じゃあ俺はかずくんでいい?」

「かずくん?」

かずなりくんは少しだけ恥ずかしそうに

だけどしっかり頷いて

しばらくの間、天井を見上げながら “かずくん…かずくん…“ と何度もその呼び名を繰り返していた



かずくんとの出会いは、もしかしたら偶然ではなく必然だったのかもしれない

俺が普段通らない山道を入らなければ

かずくんがあそこにいなければ

絶対に出会う事はなかったんだから


to be continue



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