今日も明日も
第61章 見えない鎖 part Ⅳ
かずくんも携帯を耳にあて、「もしもし…」と
同じように返した
「ね、これでいつでも連絡つくから」
「…はい」
まだ笑顔は出ないけど、嬉しそうなの分かる
目が、凄くキラキラしてる
とは言っても、かずくんの事だ
自分から連絡なんか、まずしないんだろうなとは思うけど
この嬉しそうな様子を見たら
俺がこれからしようとしている行動に対しての罪悪感が少しだけ薄れた気がした
かずくんを “監視“ したいんじゃない
あくまで心配だから、様子を見たいだけだ
ご飯ちゃんと食べてるかな、とか
勧誘とかの訪問に怯えてないかな、とか
何か困った事が起きてないかな、とか
言い訳だけは次々と浮かぶのは、やっぱりどこかでこの行動が良くない事だと分かっているからだった
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かずくんがお風呂に入っている隙にカメラを天井に設置した
広くないアパートだから、玄関からリビング権キッチンまでは充分に映る
寝室は部屋が違うから映らないけど、そこまでは必要ないから構わない
ただ、かずくんの様子さえ分かればそれで良かったんだ