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今日も明日も

第61章 見えない鎖 part Ⅳ



まさか毎日、ああやって玄関に座っていたんだろうか

だけど定時に帰るとかずくんは大抵リビングにいる

ベランダに続く窓の下に座って暗くなった外を眺めているか、俺に気付いて玄関まで出迎えに来る

それに、用意したご飯だって食べてある

それを思えば玄関に夜までいない事は想像つくのに、何故かモヤモヤが残ってしまう


どうしよう
…何かもう、仕事どころじゃなくなってきた


いつも悲しそうな顔で見送るかずくんが頭に浮かぶ
仕事だから仕方ないと分かってるから、必死に我慢してる顔




結局、乗ってすぐに隣駅で降りて
会社に電話を入れて仮病を使って仕事を休んだ

そして、長居できるファーストフードに入り
コーヒーだけを頼んで奥の目立たない席を陣取った


かずくんが普段どんな1日を過ごしているのか

…俺といる時とは違う顔があるのか

とにかく知りたくて仕方なくなってしまった


何やってんだか、とは思う

こうしてカメラを見るのだって、はっきり言って盗撮と何ら変わらない

それなのに

どうしてこうも自分が抑えられないのか

今の俺には全く分からなかった



to be continue…

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