今日も明日も
第63章 SS: さくせん
A side
俺の目の前には、猫みたいにまるくなって眠っているにのがいる
セットしてないサラサラの前髪が顔を少し隠してるけど
スッキリさせた項はまるで俺に見せつけてるようだし
捲れ上がったTシャツの裾から覗く白い肌はクラクラしそうにヤバい
ー…いいかな
だってなんたって恋人だし
こんな可愛いかたまり前にして、何もしないってありえないでしょ
ー…ちょっとだけ
…で、止まる自信はないけど
「んにゃ…」
何かの気配を感じたのか、にのが身動いだ
なに “んにゃ“ って
可愛すぎるんですけど!
もうこれは誘ってるよね
俺、いっちゃってOKなパターンだよね?!
にのの真正面に寝転がって、寝顔を観察
本当、寝顔は子どもみたいっつーか
純粋そうな顔しちゃって
起きてる時は最強のツンデレ(ツンが9割)のくせに
鬱陶しい髪をそっとかきあげてやったら
「あ…」
にのの目がうっすらと開かれた
「起きた?」
髪に触れる手はそのままでにっこりと笑う
まだ寝起きでぼーっとしてるにのは俺をぼんやりと見つめて
そして
…ふにゃんと笑って俺にすり寄ってきた