今日も明日も
第67章 お友達からはじめましょう
声を掛けたのはどっちが先だったかは忘れた
気が付いたら一緒に飲んでいて
初対面にしちゃ話しやすいなと思って
店の閉店間際に “まだ話し足りないね“ って意気投合して
そしていつの間にか眠ってしまったらしい
ー…そいつの腕の中で
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目が覚めた時、真っ先に確認したのは服
とりあえずボタンも外れてないし、ジーンズも脱いだ形跡がないのに安堵した
良かった…
変なコトはしてない
間違いは起こしてない
過去に何度かやらかした前歴のある俺にしたら、これは上出来だ
後はこの人が起きる前に姿を消せばいい
そうすれば今日の事はなかった事に出来る
ぐっすり眠る見ず知らずのその人からそーっと離れて
床に投げてあったカバンを手に持って
物音を立てないよう細心の注意を払って
恐らくはこの人の自宅だろうマンションから
俺は抜け出す事に成功した
ー…はずだった