今日も明日も
第69章 sweet trap
治まった筈の熱はあっという間にぶり返した
雅紀の口説きを聞きながら与えられる快楽は、とてもじゃないけど冷静ではいられない
経験した事がないのに、身体の奥が疼き出す
「身体の相性も良いみたいだね」
「ああ…っ、それ…、だめ…って」
再開してから、既に何度かイカされてる俺には
もう考える余力はない
だから
「ね、付き合おうよ」
なんて、何の捻りもないそれに
「分かったから…っ、焦らすな…!」
目の前の快楽に負けて頷いたのは俺
これが運命だって言うんなら、随分と馬鹿げた運命だと思う
だけどそれでも
“まあ、いっか“ と冷静になってもそれを受け入れてるんだから
確かにそうなのかも知れない
「仕方ないから付き合ってやるよ」
「離れられなくしてあげる」
先に堕ちるのは、俺かも知れない
雅紀の笑顔に、ちょっとだけそう思ってしまったのは
ー…俺だけの胸に閉まっておこう
End