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Beast 〜獣たちに好かれた僕〜

第9章 初デート



櫻井「あっ、前の席空いてるよ。」


聖輝「あっ本当だ。」


櫻井「イルカショーなんて幼稚園以来だなぁ…」


聖輝「えっ?そうなんですか?」


櫻井「うん、水族館自体幼稚園以来だからね。」


聖輝「そうなんですか…じゃあ動物園とかも…?」


櫻井「そうだね、小学生になってからは休みの日は別荘や海外ばっかりだったからね。」


聖輝「かっ海外?!」


櫻井「うん、いくつか別荘持ってるから夏休みとかになるといっつもそこに行ってるんだ。」


聖輝「へっへぇ…」

もはや住む世界が違う…

櫻井「でもさ…あんまり楽しくないんだよね…」


聖輝「えっ?」


櫻井「海外行っても結局は親父の会社の人達と過ごすだけ、バカみたいにはしゃぐことがないんだよね。」


聖輝「そうなんですか…」


櫻井「子どもの頃だってそう、俺の周りに集まってくる子はみんな俺の家柄を見ていて、誰も本当の俺を見てくれない。」


櫻井「友達っていっても…俺のこと本当の友達って思ってる奴はどれだけいるか…」


聖輝「そんな…櫻井様は素敵な方なので…みなさん友達だと思ってくれてますよ。」


櫻井「そうかな……」


聖輝「そうですよ!櫻井様と一緒にいると楽しいですし。」


櫻井「聖子ちゃん…」


聖輝「お友達だって…櫻井様の良さを分かってくれてると思います。だから…そんなこと言わないでください…」


櫻井「…うん…分かった…ありがとう、聖子ちゃん。」


聖輝「いえいえ。」


櫻井「聖子ちゃんって本当にいい子だね。」


聖輝「そっそんなことないですよ!」


櫻井「ううん、聖子ちゃんはいい子だよ…いい子すぎる…」


聖輝「櫻井様……」


櫻井「聖子ちゃん……」


聖輝「えっ……」

そっそんな…こんな場所で…

聖輝「さっ櫻井さ」


「みなさーん!こんにちはー!イルカショーに来てくれてありがとー!」


櫻井「…あっ、始まった。」


聖輝「……。」

たっ助かった……

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