Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第16章 幼なじみ
櫻井「聖子ちゃん、来週の土曜日って空いてる?」
聖輝「来週の土曜日ですか?バイトが入ってるので…20時からだったら。」
櫻井「そっか…実はね、来週の土曜日ウチの父親の誕生日なんだ。」
聖輝「えっ?お父様のお誕生日ですか?それはおめでとうございます。」
櫻井「ありがとう。でね、親父の誕生日会を財閥系列の高級ホテルで執り行うことになって…」
聖輝「すごい…豪華ですね…」
櫻井「うん…そこで…親父に聖子ちゃんを紹介したいんだ。」
聖輝「えっ…?!」
櫻井「分かってる、付き合ってもないのにこんなことするのは変なことだって…でもね、恋人としてじゃなくて…友達として紹介したいんだ。」
聖輝「友達…」
櫻井「うん、俺…心の底から信頼できる友達ってあんまりいないからさ…聖子ちゃんは数少ない俺の大切な友達なんだ。」
櫻井「だから…親父に紹介したいんだけど…ダメ…かな?」
聖輝「お父様のお誕生日会…」
まずい…そんな高級ホテルで女装なんて…とんでもないことが起こりそう…!!
聖輝「…ごめんなさい…」
櫻井「…そっか…そうだよな、いきなり親父に紹介するって…おかしな話だよな!こっちこそ変な話してごめんね?」
聖輝「あっいえ…」
櫻井「あははっ!親に紹介するなんて結婚前提でお付き合いしてる時だよな!」
櫻井「でも…1度でいいから…聖子ちゃんのドレス姿見たいなぁ…」
聖輝「ドレス姿…」
櫻井「きっと…世界中の誰よりも綺麗なんだろうなぁ…」
聖輝「……。」
櫻井「聖子ちゃん、着いたよ。」
聖輝「えっ?あっはい…」
櫻井「聖子ちゃん、またね。」
聖輝「はい、ありがとうございました。」
僕は櫻井様の車を降りて、部屋に帰った。
聖輝「ドレス姿かぁ…」