
Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第23章 桜蘭2
『章大……』
この声……
章大「お母さん…?」
『章大……逃げて……逃げて遠くに行くのよ……』
章大「遠くに……」
その時、僕の身体に稲妻のような電気が走った。
章大「僕にはお母さんがおる…お母さんを迎えに行く為にも…こんなところにおられへん…!!」
僕は屋敷を飛び出した。
幸い、首輪や手枷はされていなかった為、脱出することに成功した。
章大「ハァ…ハァ…ハァ…!!」
見つかったら殺される恐怖に怯えながら、僕は遠く遠くに逃げた。
章大「ハァ…ハァ…ハァ…」
いつの間にか、僕は知らない町に来ていた。
見たことない建物や人の多さに圧倒された。
ぐぅ〜…
章大「ハァ…ハァ…お腹空いた……」
屋敷を飛び出してから何も食べていなかった僕……
脚も痛くて動けなかった。
章大「ハァ…ハァ…ハァ…」
お母さん……
章大「…おかあ…さん……」
僕は力尽きてその場に倒れた。
