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トクベツ、な想い

第21章 エピソード潤



例の事件はなるべく思い出したくないな…

完全に俺のせいだよね

もっと早く対処してれば翔くんの心を傷付けずに済んだんだ

ごめん

あの子を教えてた時、仕事以外で色々質問されたんだ

特に気にも留めず
答えられる範囲でポンポン答えていった

彼女は笑って、通り過ぎる翔くんをちらちら見ていたのを近くで見てた

絶対的な自信があったんだ、きっと

翔くんが不安に俺をベッドに倒した時だって
愛し合えば、ひとつになって不安を除けば
俺達は大丈夫

そんな風に

相手をよく見ないで…浅はかだった

翔くんに拒否されて
俺が無視した時ももしかしたらこんな感じだったのかなって痛感した

こんな形で知るとは思わなかったけど
最低なことしてたね

…あの子とは何もない、でも様子が普通じゃない
頭の片隅でひっそり思ってたんだ

いきなり離れる瞬間が突き付けられるなんて思っても見なかった

胸が潰されそう…だった

翔くんの部屋から出た時に
深呼吸をして…そうしたら混乱する頭がちょっと落ち着いて

溢れそうな涙を頑なに止めて状況を整理したら

原因は絶対にあの子で
何かしら理由があってこうなってる

そう思った

違うとしても思ったなら調べる価値はある

伊達にEA部にいるわけじゃない

可能性があるなら
また元に戻れるなら1%の確率でも、翔くんの補佐を俺は全力でする

…たまたまマンション前で会った倫ちゃんに
顔色がおかしいって問い詰められて協力してもらえたことにはビックリしたけど

これは頑張れって運命が言ってくれてるのかなって臭いこと思ってた

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