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―羅壹side―
先)おーい、みんなー、転校生を紹介するぞー。席につけ〜。

季節は春。5月の頭。新しいクラスにもなれた頃。
俺は先生の指示どおり席につく。

先)えー、今日からこのクラスになった〝志乃宮 柚〟くんだ。

へ？…〝ｼﾉﾐﾔ ﾕｽﾞ〟…？
俺は、黒板に書かれた文字を見た。
〝志乃宮 柚〟

柚)はじめまして。志乃宮 柚です。
羅)あっ……。
俺は、前に立って自己紹介をする転校生を見た。
あの、特徴のある黄色っぽい髪の毛。モデルのように整った顔。そして、懐かしい声…。
間違いない…。彼だ。
柚)よろしく。
―ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ―
拍手の中、彼はこっちを向いて〝ニコッ〟と笑った。
………
やっぱり。
…………

先)じゃあ、志乃宮、空いてる席へ。

今日、このクラスにきた転校生は
………

柚)久しぶり。羅壹。

俺の幼馴染みだった。