逢いたいから~恋とも呼べない恋の話~
第4章 闇に響く音
そのユッコが偶然、旦那の所持しているDVDの中に亜貴のフルヌード画像を見つけたというのだ!
最初、萌は信じられなかった。だが、ユッコに送って貰ったDVDのコピーには、間違いなく全裸の亜貴の画像が入っていた。
萌はそのことを亜貴に言うべきかどうか迷ったが、結局、言えなかった。夫に相談すると、すぐにそのDVDを作った会社や販売元を調べてくれた。萌の夫に言わせれば、H社は中規模どころのアダルト関係のグッズやビデオ、本を製造・販売している会社だという。
しかし、何度電話してみても、素人の女性ばかりを集めている亜貴の画像が入っているDVDは、いずれも〝モデル当事者の許諾を事前に得ている〟から、会社としては販売を止めるつもりはないと、単なる言いがかり扱いしかされなかった。
当人の許諾を得ているですって? と、萌は当時、かなり憤慨したものだ。亜貴本人がDVDのことすら知らないというのに、許諾も何もあったもんじゃないと言い張る萌に、夫は冷静に言った。
恐らく、その画像は隆平が亜貴には内緒で投稿して採用されたものに相違ないが、隆平は亜貴には〝承諾済み〟ということでH社に応募したのだろう、と。
萌は到底、亜貴にそんな酷いことは告げられなかった。しかし、そのまま亜貴に真実を告げない方がもっと残酷なことになると夫に言われ、結局、亜貴に告げたのだ。むろん、亜貴は最初は全く取り合おうとせず、とうとうDVDそのものを見せて、漸く納得するに至った。
亜貴はすぐにH社に電話をかけて、当人であることを明かした上で、画像の削除依頼をした。既に販売済みの商品に関しては回収まですることはできないが、今後は亜貴の画像を削除したものを販売するということで、一応、この件は片がついた。
それでも、亜貴はまだ、隆平を信じていた。画像を勝手にH社に売ったことに関して抗議した亜貴に、隆平は
―新しいカメラを買う費用の足しにしたんだ。
と涙ながらに語り、謝ったというのだ。
男の涙に、烈火のごとく怒っていた亜貴もあっさりと許してしまった。
最初、萌は信じられなかった。だが、ユッコに送って貰ったDVDのコピーには、間違いなく全裸の亜貴の画像が入っていた。
萌はそのことを亜貴に言うべきかどうか迷ったが、結局、言えなかった。夫に相談すると、すぐにそのDVDを作った会社や販売元を調べてくれた。萌の夫に言わせれば、H社は中規模どころのアダルト関係のグッズやビデオ、本を製造・販売している会社だという。
しかし、何度電話してみても、素人の女性ばかりを集めている亜貴の画像が入っているDVDは、いずれも〝モデル当事者の許諾を事前に得ている〟から、会社としては販売を止めるつもりはないと、単なる言いがかり扱いしかされなかった。
当人の許諾を得ているですって? と、萌は当時、かなり憤慨したものだ。亜貴本人がDVDのことすら知らないというのに、許諾も何もあったもんじゃないと言い張る萌に、夫は冷静に言った。
恐らく、その画像は隆平が亜貴には内緒で投稿して採用されたものに相違ないが、隆平は亜貴には〝承諾済み〟ということでH社に応募したのだろう、と。
萌は到底、亜貴にそんな酷いことは告げられなかった。しかし、そのまま亜貴に真実を告げない方がもっと残酷なことになると夫に言われ、結局、亜貴に告げたのだ。むろん、亜貴は最初は全く取り合おうとせず、とうとうDVDそのものを見せて、漸く納得するに至った。
亜貴はすぐにH社に電話をかけて、当人であることを明かした上で、画像の削除依頼をした。既に販売済みの商品に関しては回収まですることはできないが、今後は亜貴の画像を削除したものを販売するということで、一応、この件は片がついた。
それでも、亜貴はまだ、隆平を信じていた。画像を勝手にH社に売ったことに関して抗議した亜貴に、隆平は
―新しいカメラを買う費用の足しにしたんだ。
と涙ながらに語り、謝ったというのだ。
男の涙に、烈火のごとく怒っていた亜貴もあっさりと許してしまった。