逢いたいから~恋とも呼べない恋の話~
第5章 再会
相手の男性は四十歳、どうも亜貴は年下男に縁があるのか、それとも彼女自身の好みなのかどうかは判らない。が、隆平のときのように十五歳などという桁外れの差ではない。三歳の年の差くらいは何ということはないだろう。
互いの気持ちも急速に深まり、亜貴自身の四十三歳という年齢もあって、彼の方が結婚を急ごうと言ったのだと、これは亜貴自身から聞いた。
二年も同棲した隆平との涙の別れから、二ヵ月と二十数日で、亜貴は新たなる人生へと踏み出すことになった。まさに出逢って一ヵ月半で結婚を決め、二ヵ月と少しで結婚式という驚異のスピード婚だ。芸能人ならば、さして珍しくもないことだが、一般人にはなかなかないことだ。
だが、萌としては、そんなことはどうでも良かった。辛い想いをしてきた従姉が幸せになってくれれば良い、ただそれだけだ。
萌の友人でもあり、亜貴の友達でもあるユッコの許にも招待状が届き、ユッコはこうして式から参列しているのだ。
亜貴と叔父が腕を組んで紅いバージンロードを粛々と進む。途中で叔父が亜貴を花婿に渡し、亜貴はこの瞬間から夫となる男と腕を組み、牧師が待ち受ける祭壇の前へと進んだ。
「ハワイで恋に落ちるなんて、素敵よねぇ。しかも、今風のイケメンじゃないの」
昔からミーハーのユッコは、もう溜息の連続である。確かに、亜貴の旦那さまはなかなかだ。百七十五センチ以上はあるだろう長身で、ダイビングをしているだけあって引き締まった体軀はモデル並み、顔はエグザイルのAKIRAに似て精悍に陽灼けしている。
ちなみに、ユッコに言わせれば、ひとめ見てお互いに離れられないと思ったユッコの旦那さんは、どこから見ても平凡な銀行員だ。
「何言ってるのよ、ユッコだって、二十年前は旦那と大恋愛したんでしょう」
萌が囁き返すと、ユッコが苦笑する。
何を隠そう、ユッコは女子大三年のときに、今の旦那さんと〝できちゃった結婚〟をしたクチだ。だから、ユッコのいちばん上の息子は、今年、大学を卒業してテレビ会社に就職した。いつまでも若く見える彼女だが、実は二十二歳を頭に高校生の娘と中学生の男の子の三人の母親だ。
「そんなの気の遠くなるくらい昔の話じゃないの」
互いの気持ちも急速に深まり、亜貴自身の四十三歳という年齢もあって、彼の方が結婚を急ごうと言ったのだと、これは亜貴自身から聞いた。
二年も同棲した隆平との涙の別れから、二ヵ月と二十数日で、亜貴は新たなる人生へと踏み出すことになった。まさに出逢って一ヵ月半で結婚を決め、二ヵ月と少しで結婚式という驚異のスピード婚だ。芸能人ならば、さして珍しくもないことだが、一般人にはなかなかないことだ。
だが、萌としては、そんなことはどうでも良かった。辛い想いをしてきた従姉が幸せになってくれれば良い、ただそれだけだ。
萌の友人でもあり、亜貴の友達でもあるユッコの許にも招待状が届き、ユッコはこうして式から参列しているのだ。
亜貴と叔父が腕を組んで紅いバージンロードを粛々と進む。途中で叔父が亜貴を花婿に渡し、亜貴はこの瞬間から夫となる男と腕を組み、牧師が待ち受ける祭壇の前へと進んだ。
「ハワイで恋に落ちるなんて、素敵よねぇ。しかも、今風のイケメンじゃないの」
昔からミーハーのユッコは、もう溜息の連続である。確かに、亜貴の旦那さまはなかなかだ。百七十五センチ以上はあるだろう長身で、ダイビングをしているだけあって引き締まった体軀はモデル並み、顔はエグザイルのAKIRAに似て精悍に陽灼けしている。
ちなみに、ユッコに言わせれば、ひとめ見てお互いに離れられないと思ったユッコの旦那さんは、どこから見ても平凡な銀行員だ。
「何言ってるのよ、ユッコだって、二十年前は旦那と大恋愛したんでしょう」
萌が囁き返すと、ユッコが苦笑する。
何を隠そう、ユッコは女子大三年のときに、今の旦那さんと〝できちゃった結婚〟をしたクチだ。だから、ユッコのいちばん上の息子は、今年、大学を卒業してテレビ会社に就職した。いつまでも若く見える彼女だが、実は二十二歳を頭に高校生の娘と中学生の男の子の三人の母親だ。
「そんなの気の遠くなるくらい昔の話じゃないの」