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捨て犬

第11章 なんで脱がされてんの?

泣きながら吸うタバコは
うまく吸えないもんで

俺は
咳き込みそうになりながらも
煙草を吸い続けた


なんかやってねぇと


崩れてしまいそうだったから





なぁ、エミ



お前

人を好きになった事あるのか?




その時
布団の擦れる音がして
俺はふと
エミの方に目をやった



起こしちゃったかな…



エミは
ゆっくりと
今はいない
俺が居た方に寝がえり


目を閉じたまま


手を動かしはじめた



俺が居た

空っぽのベットを

探るように





俺を




探してるみたいに




俺を?


探してるのか?




クッソ!

なんで
こんな時に
俺、ベッドに居ねぇんだよ!



エミの手は止まらず
俺を探り続ける


ま、待てよ

すぐ行くから


急いでベットに
戻ろうと煙草を灰皿に入れると
俺は焦って
灰皿を転がしてしまった


その音とともに
エミは目を覚まし
ベットに俺が居ないのを確認して
小さな声をだした


「カズマ…」

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