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捨て犬

第13章 聞かないで

風呂から出て
何もなかったように
俺はエミと飯を食った


溜まったものを出した
軽いスッキリ感と
気だるさと眠気
そして
軽く落ち込んだ気持ちが
入り混じって
俺は
いつもより早いペースで
ビールを飲んだ


ピッチが速いせいか
酔いも早い


そして
酔いが回ると

なんか
寂しくて・・・

「エミ、ビール飲める?」

エミを誘った


「うん…でも酔っちゃうから…」


分かってるよ
飲ませちゃいけねーことぐらい

けど・・・


「ちょっとだけ、な?
俺・・なんか寂しい」


「え?」


「エミは側にいるけど
俺、エミと一緒になんかしたい。
だから、一緒に飲も?」


「…寂しい…の?」


「うん…寂しい…」


「じゃ、グラス取ってくる」


「あ、待って」


グラスを取りに行こうとする
エミを制した俺は

「前みたいに
エミに俺が飲ませてもいい?」

って言い終わる前に
もう
エミの腰に
手を回していた

なんだろ


ひとりでヤったのが
寂しかったのかな・・・


すげぇ
エミとイチャイチャしたい



コクッとうなずいたエミに
俺は優しく
エミの後頭部に手を置き
ビールを口に含んで
エミの唇に唇を重ねた

そして
ほんの少しだけ
ビールを流し込むと

エミは
喉を鳴らしながら
それを飲み込んだ



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