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捨て犬

第13章 聞かないで

あ、けどけど

エミは
その儀式
して欲しいって
思ってたんだ…

俺が
癒されたくて
やってただけだったのに



なんで?


なんで
して欲しいんだ?


って

聞きたくて
知りたくて
その答えを
言葉にして欲しくて
たまんなくなったけど


我慢した。


その答えなんて
もらえそうもなかったから。


「おいで」


俺は
エミをいつもの場所に
座らせ

そして
いつもよりも優しく
エミを
背中から抱きしめた


「これでいい?」


「…ん…」


やっと



ここまで
これたんだな

俺達




そんなことを
考えながら

エミの髪に
頬をスリよせ
俺は
瞼を閉じた


このまま


このままずっと

ココに居てくれ

って思いながら…。

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