捨て犬
第15章 目、つむって・・・
どんな風に
説明すんのかな…
どんな顔で
説明すんだろ
手をつなぐエミに
引っ張られるように歩きながら
俺は
心の中でニヤついていた
すると
奥の部屋に入る手前で
エミが足を止めた
「ん?どした?」
振り向いて
俺を見上げるエミは
ちょっと
困った顔
「あの・・・あのね
わたしはね
ちょっとしか
手伝ってないの
でもね
作ったの
だから・・・」
クスッ
おばさんに聞いてなかったら
その説明100%
理解できね~ぞ?
「エミ?落ち着いて
何を手伝って
何を作ったんだ?
そんでそれがどうしたの?」
「あ、あのね
パ、パン作りを手伝って
パンを焼いたから
カズマ・・・食べてくれる?」
はい
よく言えました。
そんで
エミ、顔真っ赤。
「もちろん!
俺、すっげ~楽しみに
してたんだぜ?」
って言うと
エミは
はにかんで笑った
ほんと
すげ~かわいくて
むぎゅ〜って
したくなる
「見せて?
早くそのパン見たい」
「こっち・・」
そこで
俺はやっと
部屋に入ることができた