捨て犬
第16章 もう言うなっ
次の日は残業で
いつもより
遅い時間に帰宅
疲れてたまんないけど
帰ればエミが待ってると思うと
それだけで癒される
「ただいま~」
「おかえり」
ちゅっ
これが今の
最高の癒し
「カズマ、ビール飲む?」
「あぁ、飲むよ。
けど、寒いから先に風呂入りたい
一緒にはいろ、エミ」
「あっ・・ごめんなさい
今日はダメなの・・」
「え~~~っ
なんでなんで
つまんね~~」
って、エミを
ぎゅうぎゅう抱きしめた
理由なんて
分かってるけど
「なんで?」って
わざと聞くのは
アレが聞きたいから。
「なんでだよ〜」
「セイリダカラ」
エミは小っちゃい声で
俺にそう言うんだ
かわいくて
たまんね〜〜
「い~よ
俺気にしね~から
一緒に入ろうぜぇ~」
って
ちょっと甘えて
困らせてみる
「だ、だめ
だめだよ、そんなの」
「平気平気
平気だってば」
「・・・・・・・
・・・・やっぱり・・だめ」
「そう?
じゃ、あきらめるか。
んじゃ
俺のこと慰めてエミ」
そう言うと
エミはちょっと困った顔をして
俺の頭をなでた
(笑)
「あんがと、エミ」