捨て犬
第3章 お前、泣けるじゃん
夜が明けて
俺は仕事が休みだったから
ずっと部屋でゴロゴロしていた
「なんか腹減ったなぁ・・・」
「買い物・・行く」
「あぁ、なんでもいーからさ
買ってきてくれ」
「うん」
「なぁ」
「・・?」
「おにぎり
買ってくんなよ」
「・・・・」
「あんなのばっかじゃ
病気になるだろ?
今までだって
ろくなもん食ってねーじゃねぇか
この、やせっぽちが」
「・・わかった」
ヤツは
そう言って
買い物に出かけた
グー・・・・
腹減ったな・・・
めっちゃ腹減った・・・
遅いな・・アイツ
グー・・・
マジ遅くねーか?
おにぎりダメって言ったから
何買うか悩んでんのか?
コンビニ
すぐそこなのに
めっちゃ
すぐそこなのに
帰ってこねー・・・
いつもなら10分で
帰ってくるのに
もう30分も経ってる
なんで帰ってこねーんだよ
うそだろ?
帰って来ない・・とかじゃ
ねーよな?!
くっそ。
俺は急いで着替えて
玄関を飛び出した
走ってコンビニに行って
店の中を一周
ヤツはいねぇ
顔見知りの店員に
ヤツを見なかったか聞いたけど
今日は来てないって言われて
俺は猛烈に焦った
どこ行ったんだよアイツ!
マジで出て行ったのか?
誰か違う人に
「泊めて」って
言ってんのか?
そう・・なのか?
そーしか考えらんねぇよな
あれか?
アナルが嫌だったのか?
ローターか?
それで昨日泣いてたのか?
なんだよ、くっそ!!
俺は
なんだかイライラして
地面を蹴リ飛ばしていた