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捨て犬

第22章 ここが・・・好き

「俺も幸せ」

…っちゅっ


「ほんと?」


「あぁ。
もう、エミ無しの生活とか
考えらんねぇ」


「カズマ…」




「エミ、結婚しよ

エミが…
大人になったら」



一瞬
驚いた顔をしたエミは
その後すぐ
泣きそうな顔をして
俺に抱きついた


「うん」


すがるように
甘えるように
怖さから
逃れるように…

そして

俺の胸に頬を寄せ
まるで捨て犬みたいに
身体を小さく丸めた
エミの声が聞こえた



「ここが……好きなの」



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