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捨て犬

第8章 ひとりにすんな・・・

次の日

俺は
超絶急いで仕事から帰って
エミと2人で
ケーキと米を
買いに出かけたんだ



おにぎりの具は
それぞれ
好きなものを買ったんだけど

2人とも
迷って欲張って
ありえない具まで
買ったりした



それから
米を炊飯器で炊いて
おにぎりを
2人でにぎったら
エミはやっぱり
へたくそで

おにぎりの中に
具を入れるという作業は
難しいみたいだった



「エミ、こうやるんだよ

こうして具を入れてから
包むようににぎって・・


あ、そうそう!

できたじゃんか!


どれどれ、見せてみな

ん・・ん?

あはは(笑)

具がはみでてるじゃねーかぁ~」




その時のエミは
ほんの少~~し、笑顔で
リラックスしてるみたいで

なんかさ

うれしかったよ





ケーキの上の
ロウソクの火を消した時は
真っ暗になった瞬間に
エミに
キスしたりして・・・

なんか
照れくさかった




それから

俺はエミがにぎった
おにぎりを

エミは俺がにぎった
おにぎりを
手でつかんでさ




おにぎりで

乾杯したんだ




エミは

そのおにぎりを食べて




また




泣いてたっけ




なかなか

笑顔を見せてくれない

俺の彼女は





そんなところが

まだ

捨て犬のようだった





いつか

屈託のない笑顔を

見せてくれるまで

俺、がんばるからさ




見せてくれよな

お前の笑顔





いつか、きっと…










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