無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

智side


雅紀は、心配そうな瞳で和を見つめながらこちらに近づいてきた。

そして、おいらと和のそばにしゃがむ。

そして、

雅「和にぃ？どうしたの？なにか辛いことでもあった？」

って、言う。

すると、和が雅の方を不思議そうに見る。

和「どうして？俺、雅紀にあんなことしたのに……なんでそんなこと言うの？俺のこと恨んでないの？」

って聞いた。

そしたら、雅が首をかしげた。

雅「別に？」

って。(笑)

智「ふふっ。」

思わず、笑う。

和は相変わらず驚いてる。

そしたらまた雅が、

智「和？雅はね。和たちのことをずっと信じていたんだよ？」

和「へ？なんで……？」

智「だって大好きなお兄ちゃんだもんね？雅。」

って、雅に微笑みかけながら言うと、

雅は、照れたように笑って、大きく頷いた。

その笑顔を見て、緊張していた和の顔も緩む。

そして、おいらと離れたと思うと雅に抱きついた。

雅「わっ‼か、和にぃ？」

雅が驚いて声をあげる。

和「今までごめんね。俺の勘違いでした。あんなことしてほんっとにごめん。それなのに信じてくれてありがとう…………まーくん。」

そう言って、ニコって笑う。

久しぶりに見たな。和のあんな笑顔。

ほんとに嬉しそう。

その笑顔を見た雅もにっこり笑う。

それを見て前のように戻ってよかったって思った。

和と雅は、俺ら兄弟のなかで一番仲が良かった。

雅のことになると一番に和が飛んでくるくらい。

雅はこう見えて、寂しがり屋だし、兄弟一番の甘えん坊だからね。

それにしても、良かった。

おいらはいつのまにか隣に来ていた潤と顔を見合わせ、笑いながら目の前の二人を見ていた。