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上エッチ新幹線

第45章 仲谷慎之助の事情⑫

俺も屈むと菜々子のお腹を擦る。

「タクシー呼んでもらってもいい?」

菜々子が苦しそうに訴える。

俺は携帯電話でタクシーを呼ぶ。

そして菜々子を抱え大通りに向かう。

木陰からこちらの様子を窺う彩乃に
『大丈夫』という意を込め
何度も頷いた。

タクシーが来ると菜々子を乗せた。

「家まで送って……お願い……」

菜々子が俺の手首を握り締める。

無言でタクシーに同乗した。

別れ話を切り出した負い目がある。

心配でもある。

菜々子に想いもある。

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