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「俺と付き合ってと言いたいところだけど
こんな仕事だし……麻琴嫌だよな」

ここで翼は初めて顔を上げた。

「いいよ。だってここが始まりだもん。
でも……あれだけはやめてほしい」

麻琴はチン之助とサクラの様子に
視線を移す。

「あはは……俺には絶対無理だよ」
「よかった。じゃ、翼。これからも
よろしくね」

翼は嬉しさを噛み締めながら別のことを
考えていた。

ゲイ専門部署の噂を聞き付け
真知子社長に慎之助を推薦したのは翼だった。

麻琴の男疑惑の一件があってから
翼は慎之助を本気で両刀使いだと
信じきっていた。