テキストサイズ

天気予報の恋人

第11章 chapter 11


ここで、一緒に暮らすようになってからは

かずとは別々に寝るようになっていた


翔ちゃんが、荷物置き場だった部屋をかずの個室にしてくれたし

…さすがに同じ部屋で寝るのは、もう無理だと思ってたし


それに、隣にかずがいたら

…眠れない



だけど今日は、叶えてあげたくなった

普通なら味わう事のない悲しみを受けて、あんなに泣いたかずを1人にはしたくなかったんだ

少しでも、かずに安らぎを与えてあげたい

俺がいるから大丈夫だって、何度でも伝えたい

かずは1人じゃないんだって…安心させたいんだ


「…ダメ?」

黙ってしまった俺に、不安になったのか
浴室のドアが開いて、かずが顔だけを覗かせてきた

途端に立ち込める暖かい…いや、暑い熱気

濡れた髪のかずが、やけに儚く見えた



「…ダメじゃないよ、一緒に寝よ?」

なるべく意識しないように、平静を装う

「守りたい」気持ちはもちろんだけど、深いキスまでした後は
邪な感情が湧いてしまうから


それを、悟られないようにしなきゃ…




ストーリーメニュー

TOPTOPへ