
天気予報の恋人
第14章 chapter 14
「…え、」
目に入って来たのは、川の中で笑って手を振っているまーくんの姿
「…見えた?」
リーダーが優しく俺の背中を擦る
「リーダー…?」
「もう、怖がらなくていいんだよ
…川は怖いだけじゃない。楽しめる場所でもあるんだ
雅紀だって、あの溺れかけた雅紀じゃない
…もう、あの事は忘れていいんだよ」
リーダーが柔らかく笑う
すぐにずぶ濡れになったまーくんが上がってくると
「冷たくて、気持ちいいよ」
なんて笑って見せて
そのくせ
「リーダーが飛び込んでくれればいいのに」
…なんて、ちょっと文句も付け足した
「まあまあ、 ほら。後は任せるから俺は潤のとこに行くぞ」
へらっと笑ったリーダーは、すくっと立ち上がると
"後はお前に任せるから"
そう言って
半ば茫然としてる俺をよそに、リーダーはさっさと真っ青になってしまっている潤くんの所へ向かった
隣では、びしょ濡れのシャツを脱いで
ガシガシとタオルで拭いているまーくんがいる
