天気予報の恋人
第17章 chapter 17
俺の選択は良かったのか
契約が決まった夜、俺はなかなか寝付けなかった
…俺の様子が気になったのか、かずがひょっこりと俺の部屋に入ってきた
「かず…どうした?」
何でもない風を装っておく
そもそも物件探しに一緒に回ってるから、かずも不安なんだ
だからこそ、俺は冷静を貫かなきゃいけないと思った
「まーくん…一緒に寝ていい?」
こうしてかずが来る時は絶対に拒めない
だって、かずも眠れないから来てるんだから
「おいで」
端に寄って、布団をめくる
するとかずはすぐにそこに潜り込んできて
俺にギュッと抱きついてきた
シャンプーの香りにドキッとする
…かず自身の放つ匂いと交わって、心臓が高鳴った
何かをつけてる訳じゃない
所謂フェロモンと言うやつか
俺にとっては、何よりも魅惑的な匂い
「ぁ…っ」
思わずその耳許に唇を寄せる
く…っと息を飲むかずが唇を噛み締めた
抱きたい
不安な時こそ、かずを確かめたい
「かず……いい?」
息を吹き掛けるように囁くと
顔を真っ赤に染めたかずが
小さく頷いた