天気予報の恋人
第17章 chapter 17
「かず…怖くないから」
小さな子を宥めるように、もう片方の手で髪を撫でる
身体を重ねたのは初めてじゃないけど
…まだそこまでその行為に慣れてるわけじゃないかずからしたら
まだまだ怖いはず
俺は何度も「大丈夫だから」と繰り返して
まずは恐怖から快楽に変えてあげようと、少しだけ強引に、俺の手を掴むかずのそれを引き離した
離した手をベッドに押し付けて、指を絡ませる
恥ずかしさからか、恐怖からか
潤んだ瞳を見つめてから、唇に自分のそれを重ね合わせた
唇を啄むように軽いキスを繰り返す
眉間に寄っていた皺が取れ、かずの表情が少し蕩けたように見えたところで
「かず…口開けてみて?」
唇が触れる近さで、静かに囁いた
かずが素直に唇を開く
その奥にちらりと見える赤い舌に、思わずゾクリとしてしまった
開いた口の中に、自分の舌を差し入れると
かずがビクッと首を竦める
だけどそこで止める事なく、引っ込んだ舌を絡め取った