びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】
第2章 バーチャルな君と僕
個室に着くと、早速まさ君が曲を入れる
「かずも、はい」
「…うん」
渡されたデンモクに僕も曲を入れて
2人でカラオケを楽しんだ
「僕、トイレ」
まさ君が歌ってる間に抜けて廊下に出ると
トイレに向かって歩きながら
さっきのことを思い出した
…あれは、確かにサトシ君だった
けど、おかしい
サトシ君は僕とのメールで
『大学生』って言ってたんだ
でも、さっき見たサトシ君は…制服を着てた
「…制服の大学なんて…ないよね…」
ないない
あれはたぶん高校の制服で…
じゃあ大学生って嘘だったのかなって思ったんだけど…おかしいんだよね…
サトシ君の隣にいたお兄さんが
受付の店員さんに…"智くん"って言ってたんだ
顔は…サトシ君じゃないのに
「んー…」
一体、どういうことなんだろ…
「……あ」
僕の進んでる方向に…サトシ君が居た
その隣にはさっきのお兄さん
ドリンクバーに向かって2人で歩いてる
…やっぱり、制服だサトシ君
でもちょっと見えた横顔は写真と一緒で
なんか…なんか、よく分かんなくなってきた…
もやもやした気持ちでトイレを済ませて部屋に戻ると、ちょうど僕が入れた曲が掛かって
また純粋にカラオケを楽しんだ
何度目かのドリンクバーでお茶をいれていると、僕の隣にサトシ君の隣にいたお兄さんが来た
カップにカフェラテを注いでる
「あ、あのっ」
僕は咄嗟に声を掛けた