びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】
第2章 バーチャルな君と僕
「ずっとずっと…小さい頃からずっと…」
まさ君の手に力が込められていく
とても嘘を、冗談を、言ってるようには思えなくて
「そう…だったんだ…」
「うん…俺も黙ってて…ごめん」
「ううん…」
でもごめん
それには、答えられないよ…
「ごめん…まさ君…僕、サトシ君が」
「なんで…?」
身体を離したまさ君が、僕の肩を掴む
「その人はかずを女の子だと思ってるんでしょ?かずが男だって知らないんでしょ?
…だったら…だったらそんな人に恋したって」
「分かってるよ…でも…」
「なんでその人なの…?」
「まさ君…」
「なんで俺じゃダメなの…っ!」
「んっ!?」
突然、まさ君の唇が僕の唇を塞いだ
「んんっ!」
ビックリして、強めにまさ君の身体をバンバン叩いたけど…全然離れてくれない
…嫌だ…まさ君とこんな…
「ん…まさ…んっ」
僕の背中にまさ君の両腕が回ってきて
ぐいっと身体に向かって引き寄せられる
嫌だっ…
まさ君とはそういう関係になれない
小さい頃からずっと一緒に居すぎて
親友以外に思えないんだよ…
今更…恋愛対象として見ることなんか…
お願い…離して……っ
「ぅわっ!!」
「ごめんっ!!!」
全身の力をフルに使ってまさ君を突き飛ばすと、僕はその場から逃げた
走って…
走って…
走りながら、明日からどんな顔をして
まさ君と会ったらいいんだろうって考えて…
家に着くと部屋に直行し
パソコンを開くことなくベッドに潜り込んだ