びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】
第4章 溺れる夜は…Monday
『大野君?』
『…っ、なに、』
『もしかして雷苦手?』
『…悪いかよっ』
『悪くなんか無いよ
ねぇ、ラインしない?』
『はっ?』
『いいから、ね?』
スマホを出せと急かされて
ふるふるさせられて
『はい、これ』
『え?』
『して? ほら、早く』
渡された黒のイヤホンを耳に嵌めると
最大ボリュームでラインの着信音が流れた
画面には“相葉雅紀”の文字
目の前に居るのに
なんで、電話?
『…もしもし、』
『大野くん? 俺、俺。相葉!』
『いや、知ってるけど…何やってんの、』
『だってこうすれば
耳塞がなくても済むでしょ?』
『あ…』
『雷の音聞かなくて済むし
会話も出来るし
一石二鳥!
俺、頭良いなぁ〜!』
『頭良かったら追試受けてないでしょ』
『それもそうだね』
目が合うとふふっと笑う
…変な奴。
だけど
優しい奴。
『大野君てさ、』
『智』
『え?』
『智、でいいよ』
『わかった。
じゃあ俺の事は雅紀って呼んでね?』
この日
俺と雅紀は友達になった