びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】
第4章 溺れる夜は…Monday
それから俺達は
恋人同士、とはいっても
今までと何ら変わらぬ日々を過ごしていた
ただ、ほんの少しだけ雅紀からのスキンシップが多くなった事を除けば…
とは言っても、それは可愛らしいもので
人前では出来ないことを二人の時にする位で…
手を繋ぐとか、
ギュッて抱きしめるとか、
ホッペにチュッてするとか
しかも決まってそのあと雅紀は
おどけてみせて、笑いに変えていた
ふざけ合いの延長だと思ってたんだ
だけどそう思っていたのは
俺だけだった
雅紀の切羽詰まった思いに
気が付いてやれなかったんだ…
『たまにはさ、俺が飯作りに行こうか?』
『雅紀、作れるの?』
『ったりめーだろ! 中華屋の倅、ナメんなよ?!』
学校帰り
一度家に帰って材料を調達した後
雅紀は俺の家に来た
もちろん、お泊りセットを持って
雅紀の部屋は弟と兼用で
俺が泊まりに行く時は
二段ベッドの横に布団を敷いてもらっていた
でも、今日は…
俺の部屋には布団は一つしかない
だからって父ちゃんの布団に寝かせるわけにもいかないし…
『寝る時、どうする…?』
『智が嫌じゃなければ、一緒に…
ダメ、かな、』
ダメじゃない
ダメじゃないけど
なんだろう、急にこの恋人同士っぽい感じ