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びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】

第6章 ブラコンですが、何か?


弱いくせに
ただメチャクチャに泣きながら殴りかかっていたのは覚えている

豹変した俺にあいつらがビビって逃げていった時
ケンカに勝ったわけじゃないけど
自分の力で雅紀を守れたと思った


強くなりたい
雅紀を守れる、本物の強い男になりたい


芽生え始めた強い願望を胸に秘めながら
ビビリな俺は3年間、何も出来ずにただ毎日を過ごしていた






『翔くん、三年生の先輩が翔くんのこと呼んでるけど…』

『え?』


中学1年の春
それはなんの前触れもなく訪れた


『ねぇ、何かしたの…?』

『別に何も…』


俺を呼び出したのは
所謂“ヤンキーグループ”と呼ばれる人達の中でも一番目立つ存在で
話したことなんてもちろん無いけど、流石に名前と顔くらいは知っていた

指定された場所はヤンキーにありがちな体育館の裏
正直、俺はビビっていた

殴られんのかな、
でも俺なんもしてないよな、
怖い怖い怖い…!

心配する友達も誰一人『付いていこうか?』とは言ってくれず
子鹿のように足を震わせながら俺は一人で昼休みの体育館裏に向かった




『お前が櫻葉翔?』

『はい…』

『へぇ…』


ヤンキーの先輩がゆっくりと近付いてくる

お願いします!
どうか僕を殺さないでください!! (心の声)

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