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アップルパイと君の隣で

第9章 手料理とやきもち


「それでですね先輩。これって何ですか??」

佳奈が指を指した先にあったのは昨日苦闘したシチューの失敗作だった。
ちなみに一日経つともう何かも分からない状態である。

「んーと...食べ物?」

「先輩なぞなぞしてる訳じゃないんですよ。何でシチューが手を付けないままここにあるのかって聞いてるんです」

珍しく怒ったような顔をした佳奈が私を問い詰める。
って何で佳奈が怒るのか全く分からないんだけど。

「昨日ちょっと失敗しちゃって...光に食べさせられなくてそれで...」

その後佳奈が帰ってきてそれどころじゃなかったんだよ。

「そうですか」
佳奈は私の応えになんとなく不機嫌な様子だ。

「何怒ってるのよ」

思い当たるのは佳奈が料理好きということぐらいだ。
家のキッチンは完全に佳奈のテリトリーになってるし、食べ物を無駄にしたから怒っているのだろうか?

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