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アップルパイと君の隣で

第10章 隣に居たいなんて


「んっ」

周りにバレないようにと声を我慢する。
あろう事か耳を舐めてきたのだ。

「先輩可愛いです💕デートなんですからこれくらいは見せ付けてやらないと♪」

そう言って更に胸を押し当てて抱きつく強さを強めた佳奈は面白そうに笑っていた。

「なっ...!!」

恥ずかしくなって周りを見渡すと何となく見られている気がした。
ただ単に騒いでいたからだったのかもしれないが居心地が悪い。
前言撤回!
さっきまで考えていた事は私の勘違いだったのかもしれない。

「先輩!ベットは郵送してもらうことにしたので、次はどこ行きますか?」

私にそれを聞いてくるという事は特に見たいものがある訳では無いのだろう。

「じゃあ、帰ろっか」

「えー!それは無いですよぉ!今日はデートしてくれるって約束じゃないですかぁ」

佳奈は私の言葉に大きく声をあげる。

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