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アップルパイと君の隣で

第11章 先輩と家族


「あんたねぇ。自分が仕事してないからって...」

まだお盆でも無いのだから学生以外は大抵皆仕事があると思う。
佳奈の感覚は謎すぎる。

「それで先輩。旅行は嫌ですか?」
佳奈は少し不安そうな顔で私を覗き込んでくる。

「いや...嫌ではないけど」

私も温泉旅行でゆったりなんて感じは好きな方だと思う。
一人暮らしを始めてからは旅行に行くなんて事は無かったからそれはそれでいい提案ではある。

佳奈は私の返答に嬉しそうな顔を見せる。

「あっでも、そういう事なら今週末は無理だからね」

「え~!仕事は休みじゃないですかぁ」

「土曜日は約束があるの!」

それにせっかく旅行に行くなら時間のある時にゆったりと余裕を持って行きたいものだ。
もうすぐお盆休みもある訳だし。
佳奈に全てを任せてしまうのにも不安が残るし。
いろんな意味で...。

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