アップルパイと君の隣で
第12章 気に入らない
「買い物...?」
先輩が?
「夕食、お粥でも作ろうかと思って」
「お粥?」
「佳奈」
名前を呼ばれ目があった瞬間に先輩の顔が近付いた。
「先輩っ/////」
私は反射的に赤面する。
「やっぱり」
「あのっ////」
「熱あるんだからちゃんと休んでなさい!」
先輩の額がくっついて離れた。
更に真っ赤になっているであろう私にそんな声が聞こえた。
「熱?」
私は不思議に思って首を傾げる。
そう言われれば少し体がだるいような気がする。
「全く...気付いてなかったの?まぁ体がしんどい時は寂しくなったりしやすいとも言うしね」
少し呆れたように言ってから「私のせいでもあるし...」と付け加える。
「っ/////」
先輩はいつも優しい。
先輩は無意識のうちに他人の事ばかり考えていて、誰にでも優しい。
私はこんなに幸せで良いのだろうか?