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当然のように先輩の隣に居られる男に嫉妬した。
それでも先輩が本気で愛している風には見えなかったから先輩の前では何とか狂わずに済んだのかもしれない。
先輩の気持ちに気づいた男達は皆離れていったけれど、先輩はまたかというふうな顔をするだけで傷ついてはいなかった。
いや、最初から信用していなかったのかもしれない。
その瞳は何処か諦めているようにも感じた。
来る者拒まず。去る者は追わず。
温厚な普段の先輩の様子から見れば考えられなかったがその瞳を見て合点がいった。
そして、それでも拒まないのは諦めていると同時に希望も捨てられないからだろう。

｢私ならそんな顔絶対にさせないのに｣

知りたいと思った。
そんな瞳をする理由を。
どんなに小さなことでも､先輩のことなら何だって。

私ならどんなに嫌われたって先輩から離れるなんて嫌いになるなんて有り得ない。
私なら...
何があったってどこまでだって先輩だけを見て愛することができるのに。