ラブリー
第6章 シリウス
「じゃあさ。
難しいとは思うけど、ちょっと想像してみて。
男だからとか、同じグループだからとか。
取っ払ってみて。」
言われた通り想像した。
そこには、ただ、
にのがいた。
それは女の子になってるにのじゃなくて、今のままのにの。
女の子になって欲しいわけじゃない。
同じグループってのも。
嵐じゃなかったらもっとアタックしてたかもな、とは思う。
嵐でも嵐じゃなくても、きっと。
好きだったな。
思ったことを翔ちゃんに話す。
言葉にするとさっきより明確になった俺の中の気持ち。
俺こんなににのを好きだったんだ、っておかしくなったし。
翔ちゃんは嬉しそうに笑って俺の頭をポンと触った。
「にのもそうだと思うんだけどなー。」
「え?」
「自分の気持ちに気づいてないだけだと思うんだ。」
「そっかな。翔ちゃん、俺、喜んじゃうって。」
「そりゃそうだよ。
好きだと思ってても同性だと、友達として好きって思うのが普通だからね。」
「そうだね。」
「最終手段は、こないだのあいつの話をして、気づかせるってのが一番わかるかも。」
「そうかな。それは俺の気持ちが根底にあったからだよ。」
それ言ったあとで、はたと気づく。
俺はにのもそれが根底にあると思っていた。