無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

私は夫とボランティア活動に参加した。

大勢の大人子供とフェリーに乗り込んだ。

船が出発してすぐに就寝時間。

だだっ広い船室の端に夫の隣どうしで毛布にもぐり込んだ。

反対の隣に寝ていたのは…、櫻井さん。

まだ寝付けない子供たちがワイワイと騒ぐ中、櫻井さんはこっそりと私のあご先にキスをした。

翌朝フェリーを降りて、櫻井さんの先導でみんなで街を歩いた。

櫻井さんはグリーンのタータンチェックのスーツ姿。

ちょっと個性的なそのスーツが、よく似合っていた。

後頭部がふんわりとした黒髪が素敵だ。

混雑する街の中、櫻井さんの後ろ姿に必死でついて歩いた。

必死で歩いていたが、私は赤信号に引っかかってしまった。

横断歩道の向こうに、櫻井さんの後ろ姿が小さく消えていった。

【昨夜の夢・翔】