箱……捌
第4章 【強者】の選択
「んっ、ん?んんん゛〜〜〜〜〜〜〜〜!」
先生も…自分へ向けられた刃先の意味が解るのか…
ガクガク震えてながら…刃先と…それを握る遠多君を交互に見て…首を降る…
「ねぇ……先生?
先生ってさ…【弱者】の…味方だよね――――…普通…」
先生は、遠多君の言葉に…何度もうなずく…
が―――――…遠多君の顔は…ピクリとも動かない…
「―――――…嘘ばっか…
味方どころか…先生は…無視し続けてきたじゃんか…
アイツの時も……アイツの時も……僕の時も……」
遠多君は、縛られた俺たちの方に指を伸ばし…
何人か指をさし…冷たく笑った…
その中には――――――…
俺も含まれていた――――…
ズキン――――……
と、胸が痛くなった…
そうだ…俺も…先生には……
え―――――…?
“アイツの時も…アイツの時も…僕の時だって…”
僕の…時…?
俺は、先生に対する苦々しい気持ちを思い出しつつ…
遠多君の…発言に……
鳥肌が立っていた――――…