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異彩ノ雫

第81章  三ノ月 ④




まどろみにみる
束の間の夢…



君とふたり
漕ぎ出でし小舟で漂う海原の
遥か彼方より押し寄せる黒き雲

近づくほどに浅葱の羽 陽に映えて
外つ国へわたる蝶のひと群れと
思い至れば
その後をたどり行かんと帆を上げる

果てなく続く蝶の道…

想いのゆくえに重ねては
かたわらの君のぬくもりを抱き締める







【春暁】


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