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異彩ノ雫

第93章  五ノ月




春雷を遠く聞きながら

闇に向かい目をこらせば

花のもと佇むあなたが見える



華奢な肩

陽に透けて揺れる髪…



花弁へと伸ばされた指先に

触れたくて

触れられず

もどかしさは

醒めやらない夢そのもの…



火照る頬に

雨の匂いの風が吹く







【春雷】


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