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異彩ノ雫

第140章  十ノ月 Ⅱ ②




その人からは

いつも音楽が聞こえてきた


しんとした森の中を

霧のように流れるピアノソナタ



いつも聞いていたい

いつもそばにいたい…



けれど

窓辺にたたずむその人を

見つめるばかりで

秋の一日は暮れてゆく…







【片恋】


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