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異彩ノ雫

第144章  十ノ月 Ⅱ ④




海に降る雨の哀しみは

花の香りを知らぬこと



朝露のきらめきになれぬまま

ひとり

海原をさ迷うこと



けれど 海に降る雨は

やがて

波にいだかれ潮騒に…



胸を震わす響きともなる







【雫】


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