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異彩ノ雫

第189章  三ノ月 Ⅱ ④




紫の

傘にかかる雨は

いつかしら音を消し

ほの白くあたりを染める



名残というには

わずかに未練な春の雪

ほころぶ花に張り合うものか

枝に舞い落ち雪花を咲かす



並ぶふた色の美しさ…



幻めいて

ひそやかに心楽しむ







【春雪】


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