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異彩ノ雫

第196章  四ノ月 Ⅱ ③




煌めく川面に向かい
君が飛ばしたシャボン玉
ゆらゆらと虹を架けながら
渡ってゆく

次々と
幼子のように
膨らませる頬が愛しくて…

見つめる僕に
吹きかけた小さなひとつは
君の笑い声とともに
胸元で弾けて消えた

春の午後は
無邪気な時間が 切なさを秘めて
過ぎてゆく







【シャボン玉】


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