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異彩ノ雫

第221章  七ノ月 Ⅲ ②




その人は
いつもの午後に
同じ席 同じオーダー
そして 同じ小さなため息

窓際で頬杖をつき
ミルクティーを待ちながら
見つめる景色に誰を想うのだろう…



── お待たせいたしました

僕の声に
見上げる瞳が優しくまたたく


あとはすれ違うばかりのカフェの中
そっとふりかえれば
華奢な肩が逆光に儚く浮かぶ







【cafe】


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