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異彩ノ雫

第223章  七ノ月 Ⅲ ③




少しの風にも揺らぐ
頼りなげな身をはかなむように
寄り添うものへ
おずおずと伸ばされた手

指先をからめ
安堵の吐息を洩らしただろうか

遥かに遠い蒼天を仰ぐ
ひと夏の命ならば
露を湛える花の時に
陽も雨も 息をひそめて過ぎるがいい

せめて その色のうつろうまでは







【朝顔】


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